1.基調スピーチ「職業奉仕を考える」
リーダー 神崎 正陳 (茅ヶ崎湘南)
茅ヶ崎湘南RCの神崎です。
今日はできるだけ、皆さんの「職業奉仕に対する考え方」をお伺いさせていただいて、いろいろ意見交換をしたいと思いますので、私は基調スピーチとしてごく短い時間お話しをさせていただきます。
「職業奉仕」という言葉ができたのは古いことです。
1927年ベルギーのオステンドの国際大会に、RIの委員会名として初めて出て来た言葉です。
当時のアメリカのロータリアンの間でも、良く分からない言葉だったでしょう。
言いだしっぺが誰かということはしばらく措いて、ロータリー運動にとって非常に重要な概念であるということは認識されてはいたのですが、第2次大戦後には多くのロータリアンにとっては大変分かりにくい言葉になっていました。
1949年度のRI会長を務めたパーシー・ホジソンが1946年に著わした『奉仕こそわがつとめ』という職業奉仕の解説書によって、戦後のロータリアンはこの言葉の意味を再確認することになったのです。
特に日本のロータリーがRIに復帰した年度の会長でしたから、日本のロータリアンたちは先を争って職業奉仕の勉強をしたと言われています。
職業奉仕を勉強しようと思う方は、まずこの本を読んでご覧になるのが良いでしょう。
時は流れます。
1970年代後半から、ロータリー運動に大きな変化が現れます。
世界中の援助を必要とする人たちに、「手を差し伸べよう」“Reach Out”という運動が盛んになってきます。
その結果、世界社会奉仕、3H運動そしてポリオとロータリー運動はロータリー財団を中心とする、「与える奉仕」に邁進することになり今日にいたります。
地区やクラブの運営もそういう流れに沿って、DLP,CLPという新しい管理方法が取り入れられようになりました。
その結果、地区協議会の運営の仕方が非常に難しくなってきました。
ここ何年間かご経験の通り、クラブの委員会組織と地区協議会のプログラムが、一致しなくなってきました。
職業奉仕部門も、地区協議会でやったりやらなかったりになりました。
RIでも、職業奉仕委員会が長い間無くなっていました。
ウィルキンソン会長の年度に再組織されましたが、なんと数年で消えてしまいました。
今年度は地区協議会に職業奉仕部門が設けられたことは喜ばしいことではありますが、CLPの採用とクラブの会員数の減少とが相俟って、職業奉仕委員会が存在しないクラブもあります。
クラブの委員長さんのための地区協議会では、無くなってきているのですね。
そういう過渡期にあることを意識して、今年はどうしたらよいかを考えました。
そこで、「職業奉仕は何か」ということについては、あまり深く論じないことにして、まず、次年度の地区の職業奉仕委員長を務められる、大畑さんには、クラブの職業奉仕委員長は何をやるのが望ましいのか、「職業奉仕」という奉仕部門は、こんなことをやっているのだ、ということを端的にお話してもらうことにしました。
そして万田さんには、「長寿企業における職業奉仕の検証」というテーマで、一般に資本主義国の企業の寿命が40年前後と言われている中で、日本においては、時代や経済制度の変化に耐え抜いた老舗企業が所謂「長寿企業」数多く残っている理由について、独自の見解をお話ししていただくことにしております。
たぶん職業奉仕と言われている難解な概念の幾つかの切り口が、見出されるのではないかと期待しています。
その上で、ここにお集まりの皆さん方から率直なご意見や質問を出していただいて、職業奉仕について、帰納的に幾つかの方向性を模索することができれば目論見通りということになるのですが、どうなりますか。
時間が限られていますので、この程度にしておきましょう。
終わって時間が取れましたら、若干の補足をさせていただきます。
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