6.当地区の奨学生選考状況と
カウンセラー制度について
サブリーダー 佐々木 辰郎 (大和田園)
それでは、選考とカウンセラー制度についてお話させていただきます。
まず応募についてですが、7つの条件があります。
1つ目は、国籍は『外国籍』であること。
これにつきましては、日本の国以外の国籍で、勉学・研究をしている資格を法務大臣から受けている方です。
2つ目は、指定校推薦制度に受かっているかどうか。
米山の選考の前に、指定校の推薦制度があるということでございます。
3つ目は、能力・健康について。
ただ優秀なだけでなく、異文化を理解する気持ちやコミニケーション能力に対する関心を持った、健全な方が条件でございます。
4つ目は、博士の学位を持っているかどうか。
基本的に応募資格はありません。
しかし、学位を取得していない別の研究については認められます。
5つ目は、年齢について。
年齢は、45歳未満の方が対象です。
6つ目は、他の団体の奨学金と同時受給について。
こちらはできませんので、発覚した場合は資格取消とともに、全額を返却していただきます。
7つ目は、過去の受給者について。
過去に米山奨学金を受給したことがある方は、対象外となります。
次に、選考についての流れをお話したいと思います。
●申込書を提出
大学の学内選考によって決定した非推薦者の申込書類を米山奨学会に提出する。
ロータリー地区での選考。
今年度は46名の応募がありました。
45分のオリエンテーションを行い、各自5分の面接と論文、その他研究の計画書を出してもらいます。
学生の『合格したい』という熱意は素晴らしく、5分では面接が終わらず、延長もしましたので、次年度は是非面接を体験していただければ、これからの意識が変わると思います。
面接ではどの様な質問をするかというと、事前に研究形態、研究計画書、小論文のテーマは『なぜ留学先に日本を選んだか、日本留学を終えた後の将来計画は?』という論文を読んだ後に、それに関わる質問をして選考する訳ですが、「研究について・将来のビジョンについて」が評価のポイントでございます。
それから、明確性・専攻科目や熱意・研究内容で、今後どのように進めて行きたいと思うか。
どのように日本との架け橋にしようと思うのか、です。
次にポイントとなるのは、コミニケーション能力について、ロータリアンとの交流による日本語の運用能力、自己の表現力、円滑なコミニケーションを見ております。
次に人柄、全体的な印象を見ております。
ロータリー運動や国際交流についての関心度、異文化についての理解、ロータリーの行事や例会についての認識、強調社会性、認識性はどうかを見ております。
その他、9月の卒業生に9月までの行事に参加する確認、ロータリー事業への参加が悪い場合は、留学制度を取り消すということを必ず確認しております。
今回の状況は、応募46名のうち合格者19名、継続9名、延長2名の計30名で、内容は中国9名、韓国7名、パリ1名、台湾1名、タイ1名ということで、ご指摘のありますとおり、中国・韓国の方が優秀で、応募する方が多いというのを認識していただければと思います。
米山奨学金の特徴としては、『世話クラブ・カウンセラー制度』があると思います。
「人生経験豊かなロータリアンが、一対一でカウンセラーとしてケアにあたる」というのが、所属するRC全体が交流することによって、ロータリー精神を学び、日本人の精神に触れる機会になります。
奨学生にふさわしい学生になるよう育てるのも、世話クラブやカウンセラーの役割でございます。
その役割をお話しますが、奨学生を毎回例会に招待してお話をしていただくこと、奨学金の支給、ロータリアンとの交流を通じてロータリーを知って『奉仕の心』を理解していただく、奨学生の質問にも対応していただきたい。
自クラブのみならず、他クラブの卓話の機会も与えていただきたいと思います。
次に、奨学生のレポートを記入をしてください。
提出が遅れますと、奨学金を支払うことが出来ません。
その他書類は、必ず提出してください。
卓話と近隣クラブの紹介についてですが、卓話の機会を与えるとともに、近隣のクラブに紹介をすることです。
奨学生を世話したことのないクラブは、特に米山奨学金事業を深める機会になると考えます。
その際は、カウンセラーや地区の役員が同行していただければと思います。
クラブ全体におけるムード作り、カウンセラーをはじめ、他の会員と交流できるように、カウンセラーが積極的に奨学生をアピールしていただきたい。
奨学生の心がほぐれるように、声掛けをしていただきたい。
ロータリー精神を伝えて、奨学生の責任と義務を感じてもらう。
カウンセラーは他の会員との橋渡し役であり、奨学生を他の会員に紹介して、幅広い交流ができるようにしてください。
「世話クラブ全体で奨学生を受け入れる」という態度・体制で、様々な交流は大学生活では体験できないことだと思います。
例えば例会に早めに出席して、なるべく会員との接触を図るということです。
それから、学友の近況報告を是非行っていただきたいと思います。
カウンセラーは自宅に招いて食事をしたり、生活の良き相談相手になっていただきたいと思います。
指導教員との連絡・交流・奨学生の学習環境と研究の進捗状況を把握しているのが、指導教員であります。
学校の先生とカウンセラーが懇談の機会を設けて、奨学生の現況を把握するのが大切だと思います。
先生との交流は、米山奨学制度の理解・促進に繋がります。
その為にクラブの例会に招待したり、指導教官に卓話をお願いすることも必要かと考えます。
終了後も奨学生との関係をクラブ全体として続け、交流をすることが大切だと思います。
例会やクラブ行事に招いたり、卓話をお願いするようにしてください。
多くが海外で暮らす奨学生に、ホームカミング制度や例会を利用して、近況を伝えていただきたいと思います。
2007年12月の調査で、過去に米山が世話をした奨学生の現役の奨学生2500人にアンケートを取った結果、
●カウンセラーが心の支えになったこと
●初めての例会で不安を感じないように対応をしていただいて心強かった
●カウンセラーが忙しくてあまり交流が出来なかった
●セクハラ
・・・という問題がございましたので、ご注意願います。
ご静聴ありがとうございました。
以上で終わります。
どうもありがとうございました。
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