4.クラブのWCS/MGプロジェクトによる
大震災救援実施に対する地区からの支援
(MGを組む海外クラブの紹介、申請手続等)について
サブリーダー 高木 直之 (かながわ湘南)
私どもクラブが作られた時に、今度RI会長になられる田中さんが祝辞を述べてくれました。
その中で、
『奉仕のやり方は4つある。汗を出す、金を出す、知恵を出す、愛。』
と言われましたが、汗を出して愛を示すロータリアンの鏡のような方々がいる地区にいて、非常に誇りに思います。
残りの時間に何を説明するかというと、どうすればうまくお金を使えるか、つまり「国際奉仕で上手くお金を使えるか」についてお話します。
『WCS』という言葉が、何度か出てきましたが、これは何の略だかおわかりの方?
うちのクラブの小尾さん、何の略でしょう?
『ワールドコミニティサービス:世界社会奉仕』のことです。
この言葉には、ロータリーの深い哲学が出ているんじゃないか、つまり世界が我々が奉仕すべきコミニティであるということです。
後は、「マッチンググランド」ですが、一昔前にあった『同額補助金』と似ていますが、財団から出る資金がクラブの出資だと同額ではなくなったので、そのままマッチンググランドと言っております。
このマッチンググラントは、ロータリー財団の「ワールドファンド」を引き出すためのプログラムです。
WCSは、クラブ同士が勝手にやるものです。
WCSというのは、例えば被災地のRCと、どこでもいいんですが、外国のRCが「手に手を繋いで何かしましょう」というのが、ワールドコミニティサービスです。
何をしたって構いません。
ロケットを宇宙に飛ばしてもいいと思います。
ロータリー財団のお金は、ビタ一文使いませんから、制約はゼロです。
スピードも速い。
マッチンググラントで、『申請を認められる・金が来る・動く」とくれば、最低一月はかかるでしょう。
WCSは手元に現金があれば、さーっと行って、「よっしゃ」とやれば大丈夫です。
みなさんに質問したかったのですが、姉妹クラブから義援金が届いたクラブ手を挙げてください。
4・5人、どこから来ましたか?
【??】
台湾のロータリー
【かながわ湘南RC:高木直之】
おいくら?
【??】
100万弱円くらい。
【かながわ湘南RC:高木直之】
どこから?
【??】
台湾。200万くらい。
【??】
台湾で200万。
【??】
台湾。僕も100万ぐらい。
【かながわ湘南RC:高木直之】
台湾多いですね。
この震災が何らかの良いことを日本にもたらすとすれば、ロータリーがまさに「世界の集まり」ということを再認識する、良い機会になるのではないかという風に考えておりまして、これだけ多くの義援金がすぐに集まり、もう届いています。
もう1つ、被災している地域と、何らかの関係があるクラブはいますか?
相模原西の方でしたっけ?
そういうクラブの方は、市の関係でしたっけ?
大船渡と何かあるって話は。
【??】
うちのクラブではないですが、平塚クラブが花巻RCと姉妹クラブです。
【かながわ湘南RC:高木直之】
先ほどは海外へ奉仕を届ける話をしましたが、今度は海外からお金を貰って上手く使うかという話です。
現地のニーズが分からないと、動きようがないですよね。
だって、いらないもの貰ってもしょうがないじゃないですか。
1番手頃なのは、お金でしょうね。
何にでも化けるので、割と悪くない手だと思いますが、姉妹クラブから100万来て、そのまんま被災地の自治体に100万あげますっていうのは、格好がロータリー的には悪うございますね。
何とか『RC』って旗の1つも立てて、写真を撮りたいですよね。
じゃあ、どうしようかという時の2つのやり方が、まずは、ロータリー財団に縛られない『WCS』。
海外のクラブから頂いた資金を使って、例えば、南三陸町の足としてバスを贈呈するとか。
現地を訪れた中坪さんが仰っていましたが、生き残った家は当然高い所にあるんですよね。
高い所に点在しているので、お年寄りときており、避難所の物も貰いに行けないわけです。
こういうところには、コミニティバスみたいなものがあって、移動の手段があったのでしょうが、恐らくもう車も流されてしまっているのでしょう。
うちの地区とマッチンググラントをやって、寄贈される6台の車がどう使われるか分かりませんが、ひょっとするとそうした目的で使われるかもしれないですね。
いずれにしろ1番大事なのは、「現地のニーズ」を的確に把握して行動することで、これには被災地の近くのクラブに活躍していただくのが一番でしょう。
行政とも連絡を取り合って、ニーズの短期的なものをこっちが用意する。
早い話が、海外からとどいた義捐金を、現地のニーズを満たすために使うということです。このやり方なら現地の短期的なニーズに素早くこたえられます。
しかし、中長期的支援をするのに、財団の資金を使いたいなら、マッチンググラントです。
ロータリー財団に寄付したお金は3年間利殖に回して、時々しくじることもありますが、増えたお金は財団の運営にあてられます。
そして3年経ったら、地区に半分が還ってきます。
これが『DDF』で、地区が自由に使えるお金です。
残りの半分は、『ワールドファンド』と呼ばれ、財団に留め置かれます。
2千万寄付したら1千万がDDFとして戻ってきて、1千万がワールドファンドとして財団に残るわけです。
この地区に戻ってきたDDFを使って、500万のプロジェクトをするとします。
すると同額の500万が、ワールドファンドから支給されます。
DDFを使えば、同額のお金が財団から支給されます。
たとえば、皆さんのクラブに台湾からの義援金が100万円届いたとしましょう。
クラブの資金100万円を足して、この200万円をRIのマッチンググラントとして使えば、200万円半分の100万円が支給されます。
DDFの場合とは異なり、クラブの自己資金には、半額しか支給されないからです。
しかしそれでも、200万で、300万のプロジェクトが組めるわけです。
欠点は、速度が遅いことですが、中長期的なプロジェクト、例えば、津波に流されてしまった移動図書館を寄贈するとか、そういう活動にはうってつけです。
他にも、壊れた病院の機能を回復したい、拠点病院に医療機器をあげたい、など、少し大口のプロジェクトが向いているかもしれません。
現在のところ建物を建てることは、マッチンググラントではできませんから、ネパールのように津波で流された学校を再建することはできませんのでご注意ください。
マッチンググラントを今までにやったことある方は、挙手をお願いします。
面倒臭くなかったですか?
申請書を書いて、会長さんのサインやプロジェクトの実行にあたる委員をとか、色々書かなきゃいけません。
ただ、書けば半分貰えます。
困ったり、面倒臭いと思ったら地区に言ってください。
私はロータリーのおかげで、英語ができるようになったので、いくらでも英語に直します。
うちのクラブにも英語の得意な小尾さんもいらっしゃるから、助けてくれるでしょう。
いくらでもお手伝いします。
次年度は、社会奉仕・国際奉仕・財団が、「手に手を繋いで」クラブでも地区でも、よいことをしなければなりません。
英語の諺に、
『地獄への道は善意で敷き詰められています。』
・・・という言葉があります。
どんな善意かというと、『実行に移さなかった善意』です。
「こうしてやったらいいな」と言う善意なんですけど、今年は「心の中を見つめよう」ですよね。
私は非常に良いテーマだと思います。
なぜなら私は心理学者ですが、人間の行動は全て心が決めているからです。
もしも最初の一歩を踏み出さなければ、何も起こらない。
その点で私は、伊藤延雄さんを非常に尊敬しています。
会長の時に、「ごちゃごちゃ言ったってしょうがねぇだろ行くぞ!!!」と言って行かれたから、学校ができたんですよね。
こうしたら良いなと思っていて、最初の一歩を踏み出さなければ、きっと何も起こらない。
しかし心の中を見つめて、最初の一歩を踏み出せば素敵なことが起きると、いつも確信しております。
「心の中を見つめて博愛を広げていこう」というテーマの博愛が行きつく先が、海外でも、今震災で苦しんでいる方々でも、結局行動することがなければロータリーは何もできないのですから。
さてここで、皆さん、何かご意見はありませんか?
例えば米山を半分位にして、震災孤児に奨学金をやったら良いかと私は思うんですけど、提案でも何でもかまいません。
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【総合司会】 サブリーダー 宮崎 泰光 (相模原グリーン)
2. 世界社会奉仕(WCS)/マッチンググラント(MG)実践体験発表